「下着が擦れてヒリヒリする…」 「歩くときにズキッと痛む気がするけれど、場所が場所だけに相談しにくい…」
そんな外陰部(デリケートゾーン)の痛みに悩んでいませんか? 実は、泌尿器科を受診される方のなかでも、外陰部の痛みを訴える方は少なくありません。
今回は、決して珍しくない「外陰部の痛み」について、考えられる主な原因とそれぞれの治療法、そして自宅でのケアについて分かりやすく解説します。
1. 外陰部が痛むときの「5つの主な原因」と治療法
外陰部の痛みと一口に言っても、原因によって「かゆみを伴う」「水ぶくれができる」「腫れる」など、さまざまな症状があります。
① 性器カンジダ症(強いかゆみ・おりものの変化)
- どんな症状?: 強いかゆみとともに、カッテージチーズやヨーグルトのような白いポロポロとしたおりものが出ることが特徴です。掻きむしってしまうことでヒリヒリとした痛みに変わります。
- 治療法:抗真菌薬(膣錠や塗り薬)を処方してもらうことで、比較的早く症状が治まります。
② 性器ヘルペス(激しい痛み・水ぶくれ)
- どんな症状?: 初めて感染したときは、歩けないほどの激しい痛みや発熱を伴うことがあります。小さな水ぶくれや潰瘍(ただれ)ができ、排尿時に強く痛むのが特徴です。
- 治療法: ウイルスの増殖を抑える「抗ウイルス薬」の内服や軟膏を使用します。初期の段階で早く治療を始めるほど、治りが早くなります。
③ バルトリン腺炎(片側が赤く腫れる・ズキズキ痛む)
- どんな症状?: 膣の入り口にある分泌腺に細菌が入り込み、炎症を起こす病気です。片側の入り口付近がピンポン玉のように腫れ、座るだけでもズキズキと激しく痛むことがあります。
- 治療法: 抗生物質や痛み止めの内服が基本です。膿が溜まって痛みが強い場合は、クリニックで少し切開して膿を出す処置を行うと、一気に痛みが楽になります。
④ 接触皮膚炎(かぶれによるヒリヒリ感)
- どんな症状?: 生理用ナプキン、おりものシート、下着の摩擦、石鹸の洗いすぎなどによる皮膚の「かぶれ」です。全体的に赤くなり、ヒリヒリ・ピリピリとした痛みがでます。
- 治療法: 原因となっている刺激を取り除くことが最優先です。症状に応じて、弱いステロイド軟膏や非ステロイド性の消炎鎮痛剤が処方されます。
⑤ 閉経関連尿路生殖器症候群(GSM)/萎縮性膣炎
- どんな症状?: 更年期以降、女性ホルモン(エストロゲン)が減少することで、デリケートゾーンの粘膜や皮膚が薄く乾燥しやすくなります。これにより、下着のこすれや性交時に慢性的な痛みを感じるようになります。
- 治療法: 保湿剤や潤滑ゼリーの使用、または医療機関で女性ホルモン(エストロゲン)の膣錠やクリームを補う治療を行います。
2. 病院に行く?様子を見る?受診の目安
「恥ずかしくてなかなか病院に行けない」という方も多いですが、以下のような症状がある場合は、我慢せずに病院を受診してください。
- 激しい痛みがあり、歩く・座るのがツラい
- 水ぶくれや明らかな「しこり・腫れ」がある
- 排尿するときに傷口にしみるような痛みがある
- 市販の薬を数日塗っても改善しない
3. 受診までに自宅でできる「3つのセルフケア」
病院に行くまでの間、少しでも痛みを和らげ、悪化を防ぐために以下のポイントを意識してみてください。
- ゴシゴシ洗わない 痛むからといって石鹸で強く洗うのは逆効果です。ぬるま湯で優しく洗い流す程度にとどめましょう。
- 下着はコットン(綿)素材を選ぶ ナイロンなどの合成繊維は蒸れやすく、摩擦を起こしやすいです。通気性の良い綿100%の下着を選び、締め付けの少ないゆったりした服装を心がけてください。
- 市販薬の自己判断に注意 良かれと思って手持ちのステロイド軟膏などを塗ると、ヘルペスやカンジダなどの感染症だった場合に悪化してしまうことがあります。原因がわからないときは、何も塗らずに受診するのが一番の近道です。
まとめ
外陰部の痛みは、体からの「休んで」「ケアして」というサインです。デリケートな場所だからこそ、一人で悩まずに専門医に相談して、早く快適な毎日を取り戻しましょう。
