女性アスリートやトレーニングに励む方々の間で、実は密かに悩んでいる人が多い「アスリートの尿もれ(尿失禁)」。

「運動しているから骨盤底筋も鍛えられているはず」「若いから関係ない」と思われがちですが、実はスポーツの種類や強度の高さによって、アスリート特有の尿もれが起こることが近年の研究でわかっています。

今回は、アスリートと尿もれの関係性、その原因、そして今日からできる対策について分かりやすく解説します!

1. アスリートに尿もれが多いって本当?

結論から言うと、本当です

特に腹圧がかかるスポーツや、着地などの衝撃が大きいスポーツを行っている女性アスリートにおいて、高い割合で尿もれを経験しているという調査結果が出ています。

尿もれが起こりやすい主なスポーツ

  • ハイインパクト系(衝撃が大きい): トランポリン、体操、陸上(ジャンプ種目・長距離)、クロスフィット
  • 腹圧系(お腹に強い力が入る): ウエイトリフティング、パワーリフティング
  • ボールゲーム系: バスケットボール、ハンドボール

「自分だけかも…」と一人で抱え込み、恥ずかしさからコーチや医師に相談できずにパフォーマンスを落としてしまうケースも少なくありません。

2. なぜ運動しているのに尿もれが起きるの?

身体を鍛えているはずのアスリートが尿もれを起こす主な原因は、「過度な腹圧」「骨盤底筋の過緊張・疲労」にあります。

① 過度な腹圧(腹腔内圧)の上昇

高重量を持ち上げたり、強く踏み込んだり、激しく着地したりする瞬間、お腹の中の圧力(腹圧)が一気に高まります。この圧力が、膀胱を支える骨盤底筋群にかかる負担を超えてしまうことで、尿が漏れてしまいます(=腹圧性尿失禁)。

② 骨盤底筋の疲労と機能低下

骨盤底筋も他の筋肉と同じです。過度なトレーニングや着地の衝撃を受け続けることで、筋肉が疲労し、柔軟性を失って硬くなったり、瞬時に収縮するタイミングがズレたりします。「強い筋肉」であっても「しなやかに正しく動く筋肉」でなくなってしまうと、尿もれを防げなくなります。

③ 利用可能エネルギー不足(REDs)

特に過度な体重制限や過酷なトレーニングを行っているアスリートの場合、エネルギー不足からホルモンバランスが崩れ、組織の柔軟性や筋機能に影響を与えることも指摘されています。

3. アスリートができる対策とケア

運動中の尿もれは、適切なアプローチで改善・予防が可能です。

① 骨盤底筋トレーニング(正しいフォームで!)

「お尻を締める」のではなく、「膣や尿道を引き上げる」イメージで骨盤底筋を意識的に動かす練習をしましょう。

  • ポイント: 腹筋や臀筋に余計な力を入れず、息を吐きながら引き上げ、吸いながら緩める。
  • ※骨盤底筋が硬くなっているタイプの方は、鍛えるだけでなく「緩める(リラックスさせる)」練習も同じくらい重要です。

② 呼吸法と体幹の使い方を見直す

息を完全に止めて力む(バルサルバ法)動作は、骨盤底筋に凄まじい圧力をかけます。 トレーニング中に無理な息止めを減らし、息を吐きながら動くなど、骨盤底筋への負荷を逃がす呼吸法を意識してみましょう。

③ 専門家(ウィメンズヘルス理学療法士など)に相談する

最近では、女性アスリートのコンディショニングを専門とする理学療法士や、専門外来(女性尿失禁外来・産婦人科など)が増えています。 自分の骨盤底筋が「弱い」のか「硬くてうまく使えていない」のかを評価してもらうのが一番の近道です。

まとめ:諦めずに正しいケアを!

アスリートの尿もれは、決して「恥ずかしいこと」でも「競技を諦める理由」でもありません。適切な骨盤底筋ケアや体の使い方の見直しによって、しっかり改善を目指せる問題です。

パフォーマンスを存分に発揮するためにも、お腹周りのコンディショニングの一環として、ぜひ「骨盤底筋のケア」を取り入れてみてください。

なお、最近は骨盤底筋をレーザーで改善させるインティマレーザーという方法もあり、尿もれ治療に効果的です。ぜひご検討ください。