「最近、子どもの肌がいつも赤くてカサカサしている」
「夜中に痒がってぐずってしまい、見ていてかわいそう…」
そんなお子さんの肌トラブルに悩んでいませんか?
乳幼児期・小児期は肌のバリア機能が未熟なため、湿疹が出やすい時期です。ネットで調べると「アトピー性皮膚炎」という言葉が目に入り、不安になってしまうお父さん・お母さんも多いのではないでしょうか。
今回は、子どものアトピー性皮膚炎が疑われるとき、なぜ「皮膚科専門医」への受診が大切なのかをお話しします。
1. なぜ「皮膚科専門医」の受診がおすすめなの?
子どもの体調不良のとき、まずは小児科に行く方が多いと思います。もちろん小児科でもお薬の処方は可能ですが、「湿疹を繰り返す」「なかなか良くならない」「アトピーかもしれない」という場合は、皮膚科専門医(日本皮膚科学会が認定した皮膚科のスペシャリスト)への受診をおすすめします。
理由は大きく3つあります。
① 「ただの湿疹」か「アトピー」かを見極める目の高さ
子どもの肌トラブルは、乳児湿疹、あせも、乾燥肌、そしてアトピー性皮膚炎など見た目が似ているものがたくさんあります。皮膚科専門医は、そのわずかな違いや、症状の出ている期間・部位などを総合的に見て、正しく診断してくれます。
② 正しい薬の「種類」と「量」の微調整
アトピー治療でよく使われるステロイド外用薬(塗り薬)などは、子どもの年齢、肌の薄さ、症状の強さによって、適切な強さ(強・中・弱)を細かく変える必要があります。また、症状が引いたからといってすぐに薬をやめると再発しやすいため、段階的に減らしていく「プロアクティブ療法」などの専門的なコントロールが得意です。
③ 「塗り方」のプロフェッショナル指導
実は、アトピー治療がうまくいかない原因の多くは「薬の塗る量が足りないこと」。専門医や皮膚科の看護師さんは、「大人の人差し指の先から第一関節まで出した量が、手のひら2枚分の面積に塗る目安(1FTU)」といった、具体的なスキンケア指導を丁寧に行ってくれます。
2. アトピー治療で何より大切な「アレルギーマーチ」の予防
子どものアトピー性皮膚炎を「ただの肌荒れ」と放置してはいけない最大の理由は、アレルギーマーチ(アレルギーの連鎖)にあります。
アレルギーマーチとは?
肌のバリア機能が壊れた部分(湿疹)からダニや食べ物などのアレルゲンが体内に侵入することで、最初はアトピー、次に食物アレルギー、気管支喘息、アレルギー性鼻炎へと、次々にアレルギー疾患を発症していく現象のこと。
近年、「乳幼児期に皮膚の炎症をしっかり抑えてバリア機能を保つことが、将来の食物アレルギーや喘息の予防につながる」ということが分かってきました。つまり、早いうちに皮膚科専門医に診てもらい、肌をツルツルの状態に保つことは、子どもの将来の体を守ることにもなるのです。
3. 受診するときに準備しておくと良いこと
病院へ行く前に、以下のメモや写真を準備しておくと診察がとてもスムーズになります。
- いつから症状が出ているか(良くなったり悪くなったりを繰り返しているか)
- どこを一番痒がっているか(夜中、お風呂上がりなど、痒がるタイミングも)
- 今までに使ったことのある市販薬や保湿剤
- 【おすすめ】症状がひどいときの肌のスマホ写真(病院に着くと、一時的にきれいに見えてしまうことがあるため)
まとめ:一人で悩まず、まずは相談を
「ステロイドの薬を使うのが怖いな…」と不安に思う気持ちもよく分かります。しかし、現代の医療では、専門医の指導のもとで正しく使えば、副作用を最小限に抑えながら安全に治療をすすめることができます。
何より、痒みが治まるとお子さん自身が夜ぐっすり眠れるようになり、笑顔が増えます。それは、毎日看病に追われるお父さん・お母さんの心のゆとりにもつながるはずです。
「これくらいで病院に行っていいのかな?」と思わず、ぜひお近くの皮膚科専門医のドアを叩いてみてくださいね。
