おねしょは治療できる
「小学生になったのに、まだおねしょが治らない…」 「毎日の布団干しや洗濯で、心も体もクタクタ…」
そんな悩みを抱えていませんか? 周りの友達が「もうおねしょしなくなった」という話を聞くと、焦ったり、自分の育て方が悪いのかなと自分を責めてしまったりすることもありますよね。
でも、安心してください。夜尿症は「育て方」や「子どもの甘え」のせいではありません。
今回は、子どもの夜尿症の正しい原因と、お家でできるケアについて分かりやすく解説します。
そもそも「夜尿症(おねしょ)」って何歳から?
乳幼児期の「おねしょ」は、体の発達段階における自然な現象です。しかし、一定の年齢を過ぎても続く場合は「夜尿症」という診断名がつくことがあります。
一般的には、「5歳を過ぎて、週に2回以上のおねしょが3ヶ月以上続く場合」に夜尿症と定義されます。
実は、7歳(小学校低学年)の約10%前後、10歳(小学校高学年)でも約5%の子どもに夜尿症が見られます。決して珍しいことではなく、クラスに何人かは同じように悩んでいる子がいるのです。
夜尿症の原因:知っておきたい3つのポイント
おねしょが続くのは、子どものやる気の問題ではなく、「夜間の尿量」と「膀胱(ぼうこう)の大きさ」のバランスがまだ未熟だからです。
主な原因は、大きく分けて以下の3つです。
- 夜間の尿量が多い(抗利尿ホルモンの分泌不足) 本来、夜寝ている間は「抗利尿ホルモン」という尿を濃くして量を減らすホルモンが出ます。このホルモンの分泌がまだ未熟だと、夜間に作られるおしっこの量が多くなってしまいます。
- 膀胱の容量が小さい 夜間に作られるおしっこの量に対して、膀胱が小さく、おしっこを溜めておける容量が足りない状態です。
- 朝まで目が覚めない(覚醒障害) おしっこが溜まったときに、脳が「おしっこが溜まったから起きなさい」というサインを受け取って目を覚ますことができない状態です。
親子で乗り越えるための「生活改善のコツ」
夜尿症の改善には、まず生活習慣の見直しから始めます。ポイントは「焦らず、怒らず」です。
① 水分のとり方を見直す
午前中や昼間は水分をしっかり摂って大丈夫ですが、夕食後から就寝までの水分摂取は控えめにしましょう(コップ1杯程度)。特にジュースや牛乳、カフェインの入ったお茶は尿を増やしやすいので注意です。
② 塩分を控えめにする
夕食の塩分が多いと、喉が渇いて水分を多く摂ってしまったり、体に水分が溜まって夜間の尿量が増えたりします。夕食は少し薄味を意識してみましょう。
③ 冷え対策をする
体が冷えると膀胱が縮み、おしっこを溜められる量が減ってしまいます。特に冬場だけでなく、夏のエアコンによる冷えにも注意し、腹巻やパジャマで対策を。
④ 規則正しい生活(早寝・早起き・朝ごはん)
自律神経やホルモンのバランスを整えるために、規則正しい生活は欠かせません。また、「寝る直前に必ずトイレに行く」習慣をつけましょう。
⚠️ やってはいけないNG対応:夜中に無理やり起こしてトイレに連れて行く 親御さんが夜中に起こしてトイレに連れて行くと、一見おねしょを回避できたように見えますが、実は抗利尿ホルモンの分泌を妨げ、夜尿症を長引かせる原因になります。睡眠リズムを崩さないためにも、夜間はぐっすり眠らせてあげましょう。
大切な3つのスローガン:「あせらず、おこらず、くらべず」
夜尿症のケアで一番大切なのは、子どもの心を傷つけないことです。
- あせらず:体の成長とともに、自然と治っていくケースがほとんどです。
- おこらず:本人が一番ショックを受けています。わざとやっているわけではないので、「またやっちゃったね」と責めるのはNGです。
- くらべず:兄弟や友達と比べず、その子のペースを見守りましょう。
おねしょをしなかった日は「今日は大丈夫だったね!」とプロ野球のヒーローインタビューのように一緒に喜び、おねしょをしてしまった日は「次、気をつけようね」とサラッと片付けるのが理想です。
病院を受診する目安は?
生活改善を試みてもなかなか改善しない場合や、以下のような場合は一度小児科や泌尿器科に相談してみることをおすすめします。
- 小学校に入学しても毎晩のようにおねしょが続く
- お泊まり保育や修学旅行などの行事が迫っていて不安
- 昼間もおしっこを漏らしてしまう(尿失禁)
- 一度治っていたのに、急にまたおねしょが始まった(ストレスや他の病気の可能性)
病院では、お薬による治療(抗利尿ホルモン剤)や、おねしょを感知してアラームで知らせる「夜尿アラーム療法」など、お子さんに合わせた治療法を提案してくれます。
まとめ:一人で抱え込まず、専門家に頼るのも手
毎日の洗濯や布団干しは本当に大変ですよね。イライラしてしまう自分に自己嫌悪を抱くこともあるかもしれません。
でも、夜尿症は必ず終わりが来ます。 親御さんだけで抱え込まず、防水シーツや使い捨てのおねしょパンツなどの便利なグッズをフル活用して、少しでも負担を減らしてくださいね。
どうしても心配なときは、お気軽に小児科の先生に相談してみましょう。専門医と一緒に、一歩ずつ進めていきましょう!
